播磨のめっかい

まんが日本昔ばなし『播磨のめっかい』

あらすじ

播磨国(現在の兵庫県)に、心優しい一休さんが住んでいました。ある日、一休さんは道端で、なにも食べていない貧しい娘に出会い、娘を連れてお寺に帰ります。僧侶たちが娘に食事を出そうとしますが、娘は自分のために食べ物を使うことを拒否します。代わりに、僧侶たちの残飯を譲ってくれるよう頼み、それを貧しい人たちに分け与えます。僧侶たちは娘の慈悲深さに感銘を受けますが、娘は「めっかい」と名乗るだけで、自分の名前や身の上を明かしません。

やがて、村には疫病が蔓延します。村人たちは一休さんに助けを求めますが、一休さんは「おのれを捨てよ」とだけ答えます。めっかいは、病人に食べさせるために自分の身体の一部を削り取ります。僧侶たちはめっかいの行為に驚き、彼女が実は過去に村を救った姫君であることに気づきます。

姫君は、自分の体が食べられますようにと願い、亡くなると、村の疫病は収まります。村人たちは姫君の遺骨を寺に葬り、彼女の慈悲を称えて「めっかいさま」と崇めます。

登場人物

  • 一休さん: 心優しい僧侶で、めっかいを助けます。
  • めっかい: 貧しい娘で、慈悲深く、自分の身体を削り取って病気の人たちを救います。
  • 村人: 疫病に苦しんでいます。
  • 僧侶: 一休さんの住む寺の僧侶で、めっかいの慈悲に感銘を受けます。

教訓

この話は、自己犠牲、慈悲、そして他人を助けることの大切さを教えてくれます。また、「おのれを捨てよ」という一休さんの言葉は、自分自身を忘れた無私の奉仕の重要性を示しています。

備考

『播磨のめっかい』は、実在した播磨国の姫君、明石姫がモデルになっていると考えられています。明石姫は、疱瘡の流行で亡くなったと伝えられています。